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夜景

夜のバスに乗り込んで、みんなで見に行った長崎と函館。あんまり綺麗でワーワー騒いで、ふと振り返ったら酷く車酔いしてる人がいて、気の毒だなあと思ったこと。

かげろふの日記。
なぜかハマって何度も読んでるうちに、語り手の母より息子の道綱の姿をハッキリ浮かべられるようになった。

野分の後の山屋敷。
湿った渡り廊下を道綱が歩いてる。
歩みはだんだん遅くなり、ついには廊下の途中で止まってしまった。
柱に額をくっつけたまま、右手で静かに烏帽子を取った。
その指先に一瞬走った小さな火花。
女達は野分の片付けに気を取られ、慌ただしく走り回っている。
道綱に気付く者はいない。
穏やかで優しく誰よりも母思いの息子から放たれる雷(いかづち)に。
小さなため息ととも溢れ出た彼の声。
「そんならどうすりゃいいんだよ」

ディズニーランドの帰りの景色。
保育園の頃に見た強烈な夢と全く同じ。
大人になった私が車を運転してる。
夜の高速道路。走ってるのは黒くて平べったい、プリウスみたいな車だけ。
視点は交差する上の道路から。
たくさんのオレンジ色の照明に照らされて、後部座席がよく見える。
中には薄い布にくるまれた子供が二人眠ってる。
獰猛な生のエネルギー。その塊二つ。

夜景と聞いて、思い浮かぶイメージはこれくらいかな。

9/19/2023, 4:46:39 AM