かたいなか

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「『あなた、野本へ』、『穴、田之本へ』、『あなたの元へ』。……あんまり漢字変換可能なひらがなのうまみが無いな……」
去年や一昨年と違うお題に差し替えられて、これで何連続だろう。
某所在住物書きはスマホの漢字変換予測を見ながら悩んでいた。 面白い変換が思いつかないのだ。

「第一印象の、他のネタをなるべく考えるようにはしてるけどさぁ……」
仕方無いときは、その「第一印象」で勝負するしか、ねぇわな。物書きはぽつり。
考え過ぎると、ドツボだ。15時投稿コースだ。

――――――

前回投稿分の続き物。
「ここ」ではないどこかの世界に「世界線管理局」という厨二ちっくファンタジーな組織があり、
世界と世界の円滑な運行や交流を支援するため、
あるいは、いろんな世界から他の世界への密航、密入出を取り締まるため等々、等々で、
日夜、いろんな業務にはげんでおるのでした。

管理局は、どんな理由があろうと、どんな事情を持っていようと、
滅んだ世界の難民が、過剰に、他の世界に入ってくることを許しません。
「そこ」は、「そこ」に住む者の世界です。
「そこ」は、「そこ」の独自性を、保つべきです。
制限無く難民を、別の世界で受け入れてしまうと、いずれ、難民の受け入れ先となった世界は、「別の世界から来た」「別の世界の住人」で、溢れかえってしまうのです。

こんな団体方針の組織なので、
管理局をよく思わない個人、管理局と敵対する組織、なんなら管理局にテロ行為を計画する団体なんかは、多からず少なからず、おりまして。
世界線管理局は、そういう敵対組織とも、
日夜、攻防を繰り広げておるのでした。

そんな、敵対組織との攻防の最前線、
世界観の取り締まりの第一線の部署、
世界線管理局法務部、執行課実働班、特殊即応部門のオフィスを、ちょっと覗いてみましょう。

管理局の局員さん、あなたのもとへ、物語のカメラをズームイn

「今日という今日は許さん!!」
「へ〜、許さないんだ、どう許さないのかなー。
ねぇルブチョ、攻撃当たってないけど、どんな気持ち、どんな気持ち、ねぇ部長さ〜ん」

「部長を煽るな、カラス査問官!
あと部長!いい加減!落ち着いてください!!」

ズドドドド、ドギャギャギャギャ!
ひらぁりはらぁりの、やーいやーい。
おやおや。管理局の即応部門、なにやら内部で喧嘩をしている様子。
部門の部長さんがカンカンで、ガチギレで、部下に本気で魔法をブチかましています。

「管理局がどれだけ多くの敵を抱えてるか、キサマも分かってるだろう!」
部長のルリビタキが、部下のカラスにズドドドド!光の弾を撃ちまくります。
「何故その管理局に、『あの世界』の一般市民を引き込んだ!? 答えろカラス!!」

この「カラス」こそ、前回の「藤森の友人」。
「付烏月 殻花」とは東京で生きるための仮の姿。その正体は世界線管理局の局員だったのです!

「『図書館』側のご意向でーす」
部長の攻撃をことごとく、ひらぁりはらぁり避けまして、時折ちょっかいなど出してるのが、付烏月ことカラス査問官。
「全世界図書館」とかいう別の組織と共同で建てた図書館に、法務部から出向しておりまして、
今日は部長に、「藤森と高葉井を図書館に引き込む予定だ」と、報告に来たのです。

「そもそも今までも、ウチの図書館、管理局と機構と東京の市民さんを満遍なく、公平性を保つために雇用し続けてたじゃん。
何を今更。なにをいまさらぁ〜。ねぇルブチョ」
ほらほら部長、攻撃、当たっていませんよ。
付烏月ことカラス、ムキになってる部長の頭が疲れて疲れて冷えるまで、煽ってちょっかい出す魂胆。

楽しんでいるのではありません(ホントかな)
部長のためを思っての行動です(ホントかな)
カラスとしては、とても、心苦しいのです
(そのわりには、すごく、楽しそうなのです)

ズドドドド、ドギャギャギャギャ!
ひらぁりはらぁりの、やーいやーい。
部長のルリビタキが光の弾を撃ちまくり、
付烏月ことカラスが避けるので、オフィスの備品が代わりに被弾します。

他の部下は淡々と、粛々と、大事な備品を避難させたり、他の部署からのお客さんを「あー、今はちょっと都合悪いですねー」したり。
部長のイチバンの部下、ツバメのもとへカメラを向けると、おやおや、何か光の縄を……?

「いい加減!落ち着けと!言ってるでしょう!!」
急展開。ツバメが管理局収蔵のチートアイテムでもって、ぐるぐるぐる!!
ガチギレルリビタキとイタズラカラスを、個別に正座スタイルで、縛り上げてしまいました。
「まったく、部長もカラス査問官も!ふたりして特応の備品を壊して! 修理と補充と買い替えで、経理にいくら申請すると思っているんですか!」

「それは部長が、」
「そもそもコイツが!」
「私語厳禁!!」
「「はい」」

比較的静かになった実働班特殊即応部門のオフィスには、30分程度、ツバメの説教が響き続けておったとさ。 おしまい、おしまい。

1/16/2025, 3:54:40 AM