山百合

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・5『太陽』

ねえさんを外に連れ出して散歩する。
私はねえさんから寿命を少しずつ頂戴し、若返る。
ねえさんは歳を取り、
以前よりずっと私のねえさんらしくなった。
私は以前のねえさんのような少女の姿になっていく。

体力と知性がある。

「あなた、大丈夫なの?」
まだ、彼女は完全にボケてはいない。

ええ、何が?

「だって吸血鬼は太陽が苦手ってきまってるでしょ」

ええ、ええ、そうですね。
でも私は吸血鬼じゃありませんよ?

「そうなの?ならお散歩できるわねえ」

【終わり】

8/6/2024, 2:39:30 PM