#カーテン
カーテンの隙間から漏れる朝の声に起こされ
今日がまた始まるという絶望に苛まれるのも
今となってはルーティンだ。
瞼の上に光を遮るように腕をのせ
少しばかり抵抗してみる。
扉の奥から階段を上る軽快な足音に
気が付いた時には
彼女がいつものように
僕の部屋に無断入室したあとだった。
バッとカーテンを開けた彼女が
起きたばかりの太陽の光を凝縮したような
眩しい微笑みを浮かべ
「おはよう、朝だよ。今日も一日頑張ろ!!」
と明るく言うものだから
僕もこのまま寝ているわけには行かない。
起きた直後の絶望は彼女の微笑みに浄化された。
慌ただしく学校へ行く準備をして
ゆっくりと彼女と歩く道。
朝を好きになるには十分すぎる理由だった。
10/11/2022, 2:41:45 PM