とある恋人たちの日常。

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 お仕事で出張という形で普段行かない所へ行った。
 その帰りは少し違う道を通ることになり、車を走らせていく。
 
 枯れて黄色くなった木々を通り抜けて行くとグラデーションのかかった紅の山々が見えた。
 
「ふわぁ……」
 
 思わず車を端に寄せて停車してしまった。
 ナビを見てみると、近くに駐車場があるみたいなのでそこに向かった。
 
 駐車場には私以外にも、この場所を目的とした人がいた。
 
 それも分かる。
 空の下には赤く染った山は息を飲むほど美しい。
 
 私はスマホを取り出して撮影した。
 
 私の目と心に記憶するしているけれど、どうしても撮影したかった。
 
 本当ならここに連れてきて一緒に見たい。
 
 私も仕事、彼も仕事だからこの季節限定のキレイな赤を見るのには無理があった。
 仕事の帰りだけれど、ほんの少しだけ時間をもらってしっかり撮影する。
 
 この景色を記憶してこの空気を伝えつつ、記録して映像を見せたいの。
 
 大好きな彼に。
 
 
 
おわり
 
 
 
五五五、紅の記憶
 
 
 

11/22/2025, 12:41:13 PM