風は目に見えないけれど、確かにそこにある。
そして、風は目では見えない姿、形を変えながら存在し続ける。
風を受けるとき、それは”生“を感じる瞬間だ。
目には見えないものを、わたしは自分の”身体“を通して感じている。”身体“が、風を受けて、”わたしは生きている“と教えてくれる。
風にもいいものとあまり好ましくないものがある。社会にもまれて生きていると、自分に強風が迫ってくることもある。その強風を受けて、目的地へ向かうのを断念することもあるかもしれない。
新たな目的地をみつけるけれど、暗い森のなかで迷子になって、森を抜け出すことができない。だから、遥か遠くにある目的地をみつめながら、暗い森の中で1人静かに泣いて、涙が溢れないように、満天の星空を眺める。永遠に続く星空は、綺麗だけどなんだか虚しい気持ちになる。
こんなときでも、優しく頬を撫でるように通り過ぎていく風は、なんでこんなに心地よいのだろう。
きっと、わたしが元気なときも、気持ちが少し落ち込んでいるときのどちらも、この風を気持ち良いと思うだろう。
だけど、”今“しかわからない心地よさはあると思う。
毎日、毎秒毎に、わたしが生きている世界で、世界を五感を通して感じる。
わたしは、瞬間瞬間で変わり続けるし、同じように世界も変わり続ける。
今の、このわたしが、身体の感覚でこの世界を捉えるとき、きっと最初で最後の感覚を得る。風だけではなくて、全ての体験は最初で最後なんだろうと思う。
風は、きっと”今この瞬間のわたしの喜びも苦しみも全部含めた感情”を運んできてくれる。
今も風は絶えず吹き続けている。
_________風が運ぶもの__________________________。
3/6/2025, 2:52:53 PM