部屋の片隅で、月を見上げて考えていた。
ここら一体の小石がどうして黄色になっているのか、本来の石の色を塗りつぶし、みな魅了されたように月光に濡れている。
月は答えないが、こう答えているような気がした。
滝みたいなものだ。空と地面にこんなにも落差があったら、そりゃ月の光に濡れてしまうと。
月と対話する人は、なおも呈した。
月の光は、実は借り物なんだろう。なのにどうしてそのように自分の力のように主張できるのか。
月は答えないが、こう答えているような気がした。
本来私たちは対話するような距離感ではない。
眺め合い、光を受け取るもの。
しかし、何一つ変わらない私たちだが、地表の人間たちは区別化して空想上の生物たちの印象付けを行った。
光あるものは正しきものに、闇ある者は影に。
月と太陽も同じように、木から林檎を収穫した。
だから、君のように月と対話するような人は、世界にまたとない人なのだ。
君は、月を収穫しようとして、対話するのだ。
「違うよ、いつまでも部屋にこもって、ひとりぼっちなだけさ」
12/8/2024, 8:07:54 AM