「燃える葉」
爽やかな秋風の中を歩いていると、ふと視界の端に鮮やかな赤が映った。ハッとして顔を上げると、炎と見紛うような赤色の葉を茂らせたもみじの木が私を見下ろしていた。秋晴れの青に赤色の葉がよく映えている。
「そういえば前にも…」
それは二年前のことだった。その時も、木が燃えていると勘違いして少し焦っていた。
あの時はセーラー服にスカート姿だったが、今回は茶色い薄手の長袖に白のズボン姿だ。
私の立場も環境もたった二年で大きく変わってしまったが、まだこのもみじがここにあること、そして変わらない自分に少しホッとした。
------願わくば、このもみじがこれからもこの場所で、目まぐるしく変化する人の世を見守ってくれますように。
10/6/2025, 12:56:34 PM