「なんだこのお題は」
「どうしたの?」
「ずいぶん近代的なお題だなとおもってな」
「最近でもそんな昔でもないんだ」
「18世紀のスウェーデンの化学アカデミー界が活発だった頃の話だ」
「へー、そうなんだ」
「大規模設備の必要な重元素しか見つからないものは残ってないようになって、そのあとは大型加速器を使った新元素の発見に移っていったわけだ」
「へー、そうなんだ」
「いや、こういったお題は科学的素養をあまり求めるものが少ない。それはハードルを下げている意味もある。しかし、こういったお題で酸素が出るということは、日本の教育レベルでは酸素を扱うことはおかしくないと思われている、もしくは出題者はそう考えたのだろう」
「へー、って長いよ!」
「そうして考えると、そのお題から見えないけど欠かせないものなんて考える作家と、水につながる作家で違いがありそうだな」
「へー、……なんで水?」
「ん?」
「ん?」
「Dihydrogen Monoxide」
「ん?」
お題『酸素』
5/15/2025, 1:13:01 AM