シロツメ ナナシ

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『すれ違う瞳』


それはホントに
ただの偶然だったはず―――


彼とはたまたま
廊下ですれ違った
その時 眼と眼が一瞬
見つめあった

それだけ
たったそれだけだった―――

現代国語の成績が
5段階評価の 一応4の私
これ以上の説明
私にはできない
なぜならそれ以上のことが
本当に何も無かったのだから

そのたった一瞬の出来事だけで
次に会った時に私たちは、
さも当たり前のように
ご飯を食べに行った
と言ってもファストフードだったけど


改めてその人の印象は
特別な取り柄は特に無さそうだなぁ
だった
そして 想像通りだった
……いや、それは言い過ぎか
言うなら 器用貧乏ってやつだ

気の許せる友達
ほんとにそんな感じ
特に興味は無いけど
良い奴なのは間違いなかった
分かってきたのは
こいつに裏表がすごく少ない
そんな感じだったから
長く続いたのかもしれない

私が他の人と会おうが
付き合おうが、結婚しようが
こいつは特に変わらなかった
けど反対に私は
彼に彼女でもいようものなら
めっちゃ品定めしてやったし
なんならあれこれ悪態ついて
切り離してやったりもした
……私…
…もしかして、やなやつ?
いやいや!だってあいつ
全然見る目ないもん!
実際に付き合ってたヤツなんて
ほとんどあいつの事を
都合よく見てるやつばっかりだったし!?
……ね?ね??

…って、今更ながら
余計なお世話か…

ん〜…
友達と思ってるんだけど
私……、
本当はどうしたいんだろ…?
どうなって欲しいんだろ?
言うても別に……
ホントに気は無いし、
なんなら
これ以上ない!ってぐらいの
もっと素敵な彼氏いるし!

まぁ……遅れて来た腐れ縁
みたいなものかな?
……たぶんね
なるようになっていくでしょ


〜シロツメ ナナシ〜

5/5/2025, 5:53:35 AM