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拝啓
桜の雨がしとやかに降り、水面に淡き彩りを添える折となりましたが、身体にお変わりはありませんか?

この頃は、花びらがひとひら舞い落ちるたびに、目には映らぬ想いというものへ、ふと心を寄せることが増えてまいりました。

『星の王子さま』にて、キツネが
「大切なものは目に見えない」と語った節があります。

この一節は、初めて触れた折より幾度となく胸中で反芻してしまうほど、私にとってかけがえのない言葉でございます。

人と人との結びつきや、胸に宿る愛情。この世には、目には映らぬものがあまりにも多くございますね。
ゆえに、自らの想いを言葉にせねば伝わらぬものと心得てはおりますが、それでもなお、私の拙い言の葉では、貴方へ想いを尽くしきれてはいないのではないかと案じておりました。

けれど貴方は、私のささやかな仕草や、ふとした表情、声の揺らぎまでも、そっと掬い上げてくださいます。

そのたびに、言葉にせずとも通い合う心があるのかと、不思議に思っておりました。
しかしながら、それは決して当たり前のことではなく、
貴方が私を慈しみ、心の目で見つめてくださっているがゆえの賜物なのだと、今では静かに胸へと染み入っております。

この胸に宿る想いは、姿こそ持ちませんが、
いついかなる時も、貴方へとまっすぐに向いております。

目には映らずとも、確かに此処に在るもの。
触れ得ずとも、ぬくもりをもって寄り添うもの。
そのような“見えぬ大切なもの”を、これからも貴方とともに、愛してゆきとうございます。
敬具

4/2/2026, 12:10:03 PM