振り返れば、傷つけたり傷ついたり時には人を信じられなくなることだってあった。あの時はきっと幼なすぎたんだ。今ならそんなふうに回顧できるけど、きっと当時の僕は必死だったに違いない。
“仲間”とか“信頼”とか、そういうのは僕には本当どうでもよくて。何より1人が楽だったから他の奴らと馴れ合うなんて馬鹿馬鹿しいと思ってた。正直、鼻で笑うレベルだったよ。くだらないなあって、ただ他人事のように感じていたんだ。
でも旅の途中で君と出逢って。僕とまるで正反対の思考回路を持つ君は当初、邪魔でしかなかった。この先のパーティ編成に君は必要ないと本気で思っていたんだ。それが、ひょんなことで僕は君に助けられ、君の手の温かさを知り、君の涙を初めて見た。あの時は心臓に衝撃が走った。僕の中の、決して揺るがない概念みたいなものが覆った瞬間だった。人ってこんなに優しくて温かい生き物なんだな。それを教えてくれたのは、君だった。
もうすぐこの旅も終焉だ。君はこれまでの道のりをどう感じてる?楽しかった?辛かった?プラスなものもマイナスなものも、両者ともに色々思うものもあるだろう。それもまた、人だから持てる感情なのだろう。
僕はこの旅で数えきれない沢山のものを得たよ。それは形にできなくて、目には見えないものだけど。いつまでもこの心の中に息づいている。旅路の果てにそれを証明できることがこの上なく嬉しいよ。
さあ、あと少しだから今日も進もう。
まだ旅は終わったわけじゃないよ。最後の最後まで、僕は君と共に歩いてゆくことを誓う。だからあと少し、よろしくね。
1/31/2024, 1:32:35 PM