信号機

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「本当に本当のことを教えて」

友人は俺にそう迫る
俺の幼馴染が好きな友人は
昨日、幼馴染が自分のことをどう思ってるか
と聞いてきてくれと言うから
今日聞いてみれば
「ああ、まあ」
と一言。
かけがえのない友人にどう言うべきか。
家に帰ってから考えようと思っていれば
靴箱で会ってしまった。
俺を見つけた目を輝かせて来るものだから
逃げようと思った先、俺より早いその足で
隣に立って
「うぇーい」
なんて言ってきやがった。
「ところでさ」
この時点で話題は察せた。
「どうだった?」
俺ははぐらかす
「何が?」
「あの件だよ、あの件」
「何が?」
「だーっ、めんどくせぇな
俺の好きなやつ!」
「卵のことか?」
「確かに好きだけど!
お前の幼馴染だよ!俺好きで、
どう思うか聞いてこい言っただろ?」
仕方ない…
「ああ、聞いてないんだ、すまんな」
しかし
「え?聞いてたろ、お前あいつと話してたじゃねぇか。」
「忘れてて、別のことについて話してたんだ」
「本当か?」
「本当だって」
突然、あいつは俺の目を睨んだ
「お前、嘘ついてんな」
「え?」
「お前の目は昔っから嘘をつくと
少しばかり右に寄るんだよ」
「はぁ…?お、俺にそんなのあったのか?」
「いやねぇよ」
「は?」
「これは嘘だけど、お前が嘘をついていることもここでわかった。
なぁ、どうだったんだよ。」
今に至る
「なぁ、
本当に本当のことをおしえてくれ」

6/2/2024, 10:51:42 AM