無音

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【196,お題:花束】

薔薇を100本、意味は「100%の愛」
おく場所にも困るし、プレゼントに使う人はそうそういないだろうと思っていた

「ぼ、僕と結婚してください!」

目の前に差し出されたのは大量の赤い花弁
顔も見えない程に巨大なその花束は、間違いなく自分に向けられているものだった

「えっ、...えぇ...?」

「あれっ、聞こえなかったかな?僕と...」

「それは聞こえてる!」

驚いた、というか彼の馬鹿さをなめていた
前に「薔薇の花言葉ってなに~?」って聞いてきたから、何か企んでいるのかと思っていたら
まさか、本当に薔薇を100本送る奴がいたとは...

「どうかな...?もう付き合って長いし...」

恥ずかしそうにもごもごといいながら、彼は返事を待っている
少々面食らったが、もとより彼のことが好きで付き合っていた訳だし、返す言葉は決まっていた

「もちろん、私でよければ喜んで」

瞬間ガッツポーズで飛び上がって喜んだ彼と、薔薇の花の置場について議論することになるのはまた別の話である。

2/9/2024, 11:17:26 AM