森瀬 まお

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ん?体がだるい・・・・・・?
「熱は・・・37.6、微熱ね。このご時世だから、念のため学校休んどけば?」
「うん、じゃぁそうする。」
「じゃ、父と母は会社行ってくるから。何かあったら電話して」
「うん、いってらっしゃい」
「いってきまーす」
ガチャリ
父と母がいなくなるとだいぶ静かになった。
そりゃそうだ、私しかいないのだから。
とりあえず、寝るか


ふあぁ、よく寝た
もう、こんな時間か。
ピーンポーン
誰だろう
ガチャリ
「な、名音くん?!」
「先輩、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だけど、名音くんこそ部活大丈夫なの?大会近いのに。」
名音くんは、私が部長を務める卓球部の後輩だ。
「先輩がいないとダブルスの練習ができないから、監督に先輩の様子見てこいって言われたんです。」
「あ、そうなんだ。」
「でも、元気そうでよかったです。」
「うん、もう熱も下がったから明日からは学校行けるよ!心配してくれてありがとう。」
「じゃ、僕はこれで。」
「あ、ちょっと待って。」
「なんですか?」
「あの~、ずうずうしいんですけど、チャーハン作ってもらえませんか?」
「え?」
「あ~、今日朝からなんにも食べてなくて、名音くんが前作ってくれたすごく美味しかったから、たべたいな~、なんて。」
「いいですけど、」
「やったー!」
私は思わず、その場でジャンプしてしまった。
「っ、キッチン貸してください。」
名音くんはそう言って、さくさくとキッチンで料理を始めた。
そして、十分もしないうちに、
「できましたよ」
と言われた。
「すごーい。いや、私、料理苦手だから助かったよ。
ありがとう!」
「よかったです。じゃ、僕はこれで。」
「あ、うん、ありがとう」
「先輩、」
「ん?」
「ほいほいと、自分の部屋に男入れちゃだめですよ。先輩、美人なんだから気を付けてくださいね。」
「大丈夫だよ、名音くんは信頼してるから。」
「それって、僕は恋愛対象外ってことですか?」
「ふぇ?」
「じゃ、また明日」
ガチャリ
名音くんがいなくなったのに、部屋はうるさくなった。
私の心音はバックバクだ。
「不意打ちはずるいだろっ。」


















#微熱

11/26/2022, 10:51:15 PM