夜空には汽車が走っている。
そう教えてくれたのは屍だった。
月の光がはらはらと降っている夜空には、名状し難い麗音を奏でる汽車が、あの星々を走っているのだと。
星々の声がさざめく中、がたりごとりと天を揺らす、かの線路……それはなんと美しいことだろう。
あの汽車が走る夜には、そらは揺籠に変わりゆくのだ。
月も寝静まる夜ならば、天を仰いでみるがいい。
赤子のように、大いなるそらを見つめてみるがいい。
人びとには、辿り還るべき夜がある。
それについて、我々は語るべきではない。
赤子はただ、その心を天へと流すべきである。
きっと瞳を下ろせば、あの子守唄が聴こえるだろう。
哀しい星々の嗚咽は、それはまるで致死量の音楽の様で。憧れにも似た、一条の光を見せてくれるのだ。
4/11/2026, 10:15:09 AM