アオハルとバスケ

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『君の筆後だけが寄せ書きの中に残っていて』

私でも分かっていた。あんなに素敵なあの人に私なんかが見合わないと。でも、彼はそんな私の考えをなん度でもくつがえしてきた。「俺、君のサインが欲しいな」私を飽きさせてくれない魅力が彼には備わっていた。それなのに、私と彼は違うクラスになった。ガヤガヤと賑わう人集りの中の廊下とは裏腹に、シーンっと静まり返った感情が私の心の奥にズーンと響き渡っていることがよく分かった。今日は早めに帰った。絶望しかなかった。指でなぞった寄せ書きはどこか儚く感じた。「やっぱり、私、彼には届かない存在なんだ」ボロボロと溢れ出る涙を静寂の夜の中布団でゴシゴシと拭った。
アオハルとバスケ【※小5の時の実話】

6/17/2025, 1:54:16 PM