やってしまった。
「大嫌い!!」と、叫んでしまった。
カッとなって、背を向けて、一直線に家へ帰った。
置いて行かれた私の親友は、何を思っただろう。
ううん、もう親友じゃなくなってしまったのかも。
ブランコの次はシーソーに乗りたかっただけなのに。
先に一緒に砂場遊びでも良かったはずなのに。
意地っ張りになってしまった。
と、母が私の部屋の扉を叩く。
「電話よ」
「誰から?」
親友でいたいあの子の名前が、母の口から飛び出した。
私は受話器を奪い取って、言った。
「ごめんね!」
その声に少し驚いたらしい相手の気配がした後、声が返ってきた。
「謝ろうと思って電話したんだ。こちらこそごめんね」
お題 : 夜が明けた。
4/29/2025, 3:46:18 AM