自問自答する。
ヘッドギアをつけた10代の自閉症と思われる少年が、電車の中で声を出しながら身体を左右に揺らしていた。
大学生くらいの青年が付き添い、小さな声で優しく声を掛け背中をさすっている。
電車が好きなのかな。
あのお兄さんは優しそうだな。
だが、勝手な妄想をしてしまった自分を恥じる。
逆の立場からの視線を想像する。
勝手な妄想で優越感に浸った人間が、ただ薄ら笑っていたのに過ぎないのでは無いか。
少年と自分の違いは何?
働いているから、社会人として、大人として、そして健常者として生きている事は偉いの?
窓から見える反対側の橋の上を、別の電車が走っていた。
何故か。
川の水面をきらきらさせながら走るもう一つの電車を羨ましく思った。
題:優越感、劣等感
7/13/2024, 9:59:22 PM