気温の下がり方が一気に下がっていて、暖房を入れるか一瞬悩むけれどそこまでじゃない。
食事が終わって恋人と居間のソファに座って寄り添い合う。彼の温かさが愛おしい。
あ、そうだ。
私はちょっと名残惜しいけれど、クローゼットの奥から取り出した。
せめて見るだけでも暖かくなるようにと思って、少し早いけれどティーライトのアロマキャンドルをテーブルに置いた。
彼はライターでアロマキャンドルに火を灯す。私は彼の隣に座って腕を絡めて肩に頭を乗せた。
揺らぐ灯火から柔らかい甘い香りが、気持ちが穏やかになっていく。
特に音もなくて、ゆっくりとした時間だけが流れて行った。
おわり
五四〇、灯火を囲んで
11/7/2025, 12:57:52 PM