ぱんっぱかぱぁ〜ん、というアホ丸出しのSEが突然自室に鳴り響いたと思った瞬間、見覚えのある光輪が宙に出現した。
「おめでとーございますー、アナタはうん百人目のベリーハッピー?ラッキー?な御方で御座います!!」
クルクル回る光輪の中央から、ヌルっと現れたのは自称神様、の補佐をしている天使さん。
白い長髪をウネウネと―なんかそういう力でやってるらしい―させながら、年寄り臭い掛け声一つ、ズルリっと光輪から引っ掛かっていたらしい下半身を抜いた。
「ややっ?!いやぁ、アナタでしたかー!先日は主が大変お世話になりましてー、どうもですー!」
中性的で美しい姿形が台無しの、キンキン甲高い声にゆるーい口調。
「本日は幸運なアナタの願いを一つだけ叶えましょうー、というキャンペーンでやってまいりましたんですー!」
名前は、……何だったかな? まあ、いいか天使で。
「早速なんですがー、何でもいいんで何か願い事を言ってくれますー?ホントー何でもいいですよー?あっ、異世界転生いっときます?外界で凄く流行ってるって聞きましたよー!」
「今すぐ帰ってくれ!ハウス!!」
そんなあ〜、とションボリ顔をしながら天使はフワッと消えていった。
テーマ「ここではないどこか」
6/28/2024, 6:46:33 AM