récit

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男の子は裸足になり、地面の温もりを感じながらジャングルジムへと足を運ぶ。

彼は白岩山羊のような軽快さでその高みへと登り始める。
てっぺんにたどり着くと、彼は何かを空へと放り投げた。
その動作は、キラキラした四和音のように、周囲の空気を震わせる。
彼は5つ降り、また5つ降り、さらに5つ降りて、地面に戻ってくる。
そして、再び登ろうとするのだ。

とうの昔にジャングルジムを登ることを忘れてしまった大人たちは、ただその様子を見守る。
しばらくすると、大人たちは揺らぐ空気に酔いしれながら、地面の上で踊っていた。

彼ら自身が音楽の一部となり、身体の奥底から湧き上がるリズムに委ね、ジャングルジムを見上げ両手を挙げて踊るのだった。

「ジャングルジム」

9/23/2024, 10:40:15 PM