—幸せなひととき—
小学校からの友人がカフェを開いた。今日はそのカフェに来ている。
木目のテーブルに白い壁に包まれた店内。中には観葉植物が所々に置かれており、ナチュラルで温かみのあるカフェだな、と感じる。
僕はカウンター席に座った。
早速注文したコーヒーが置かれると、カップを手に取り、香りを楽しんだ。
そして一口。
「おいしい……!」
「ありがとうございます」友人が言った。
嬉しそうにこちらを見ている。友人の小さい頃からの夢だったのだ。僕もその夢が叶って嬉しいと思う。
少し経つと、もう一つ注文したものが届いた。
「お待たせしました。こちら『はちみつとキャラメルアイスワッフル』でございます。ごゆっくりどうぞ」
「わぁ……」
ワッフルの上に乗ったキャラメル色のアイスに蜂蜜がかけられている。ワッフルの香ばしさと蜂蜜の甘い香りが鼻をくすぐる。
ワッフルをナイフで小さく切り、アイスと一緒に口に入れる。相性が抜群だった。
「最高だ」
昇天しそうな気分だった。そんな僕を見て、友人はまた笑みを浮かべた。
僕が食べ終わったその時、注文していないはずのメニューが届いた。
「え?」
「サービスのプリンだよ。次来る時、また連絡してね。サービスするから」周りに聞こえないように小さな声で言った。
「ありがとう」
それを食べ終え、会計を済ます。
「ごちそうさま。また来るね」
「はい。いつでもお待ちしています」
友人のおもてなしで、胸の奥がじんわりと温かくなった。手を振って店を出ると、外の空気まで甘く感じられた。
お題:おもてなし
10/29/2025, 2:13:07 AM