落ち込んだとき、頭がぐちゃぐちゃのとき、ふと「あそこに行きたい」とか「あの人に会いたい」と思うことが誰しもあるだろう。
私もそういうときに会いたい人がいた。
心の奥をのぞき込んで、優しく背中を撫でるような、深い森のような瞳。木立が永遠に並ぶようなそれを、傷がついたと人はいうけれど、そんなことは全く思わない。
彼はずっと恋人を待っていのだという。
現実的には再会は叶わないのだと誰もが、彼自身も心のどこかでは思っているだろう。
静かに私を慰める彼でも、諦めきれないものがあるということ。
そのことが、私を癒やし、奮い立たせるのだ。
『心の健康』
8/14/2024, 12:42:47 AM