月夜の帰り道。小さな灯りに囚われた赤とんぼ。捕まえると意気込む娘。いつから迷ったか。へどへどと落ちそうに飛ぶ。思わず差し出した人差し指を、六本の手でじっと掴む。重さのないそれとの握手。渡してと言う娘。何かを測る間に、とんぼは月の無い空に飛んでいった。
9/27/2022, 4:41:37 AM