花畑
「俺、顔はいいじゃん?スカウトされてまずはモデル。鮮烈にデビューして期待の大型新人で騒がれる。ゆくゆくは俳優業にも進出して、バラエティーにも引っ張りだこになって…」
「脳内花畑か」
同級生の進路という名の妄想を聞き一蹴する。委員長だからと押し付けられた、卒業も危うい同級生の面倒。とりあえず先日のテスト結果を見せてもらうと散々な点数が並んでいた。
「お前さ、授業態度満点じゃん。なんでこの点数なの」
目の前の男は遅刻欠席なく居眠りもしてる様子もなかった。都度ノートもとっており、怠い空気感の時には授業進行の妨げにならない程度の茶々を入れ場を和ませ。勝手に成績優秀者だと思っていただけに、広げられたテスト用紙が衝撃でならない。
「ねー。俺もそう思う。ミステリーだよね」
どこまでも軽い、お気楽なお花畑発言にこめかみを押さえる。さて、どうやってやる気を出させよう…。
9/17/2024, 2:10:50 PM