「ねぇ、ボクのこと……『もっと知りたい』?」
「あー……えーと。まずは、これから転生するっていう、この世界のことが知りたい、かな?」
上下左右のどこを見渡しても、真っ白な空間。
突進してきた暴走車を避けようとして崖から転落死したという、とっても残念な前世を終えたばかりの私は、目の前にフワフワと浮かんでいる、光を放つ球体に言った。
「なんでー? そんなの、後ででもよくない?」
「いやぁ……」
さっきの自己紹介によると、球体の彼はこの世界の神様らしいんだけども。
でもね……この場所で気がついた私に向かっての第一声が、
「初めましてー! 単刀直入に言うけどさ、ボクのカノジョになって欲しいんだっ」
って、さぁ……ホント、なに言ってんだコイツ、ってなった。
でもしょうがない、状況を把握するために質問を繰り返して。
そしてようやく、ここが次元のハザマ的な場所で、私はなんだかんだでこれから異世界に転生しなくちゃで、その説明なんかのためにここに呼ばれたってことがわかって、やっとやっと、頭が働くようになったところなのだ。
頭、が……うん、いまここにいる私って、肉体、ないっぽいんだけどね?
にしても、この状態でナンパされるって、いったい?
あ、待てよ……そうか。
きっと「カノジョ」の意味が、なんか違うんじゃないかな?
「……あのぅ」
「うん、なぁに?」
「カノジョってのは、どういう意味、なのでしょう?」
「あれ? ボクはいま、キミがさっきまでいた世界の言葉を使ってるはずなんだけど。つまり、ボクはキミのことが好きだから付き合ってくださいっていう、そういう意味だよ? これなら、伝わる?」
「…………」
……えーと。
この状況で告白されたらこうしたほうがいいよ、っていうアドバイス的なのを『もっと知りたい』んですが……?
どっかにスマホ、落ちてないかなー?(切実)
3/13/2026, 9:56:24 AM