「あれ、子猫なんて飼ってたっけ?」
「拾ったの。親猫が、この子の近くで亡くなってたから」
相変わらず、貴方は優しい。
スマホに映し出された、小さな三毛猫の写真を、貴方は愛おしそうな目で見つめていた。
「それに、三毛猫って、よく幸運を呼ぶとか言うじゃない?私はこの子自身が、私自身の幸運なんじゃないかなって思うの」
相変わらず、貴方は難しいことを言う。
とても小さくて、ボロボロな幸運でも、貴方はすぐに気づいて優しく拾い上げる。傲慢な私とは大違い。
そんな貴方の笑顔は、子猫のようにどこか愛おしく思えた。
11/15/2024, 1:26:49 PM