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#好きじゃないのに

―――

ふらっと立ち寄った店に、ピンクの紙パック
苦さを求め訪れたはずなのに
気付いたら、またそれを手に取っていた

口にした瞬間、思わず眉間に皺が寄る

なんて顔してんだよ
そう言う甘党の声が聞こえた

嗚呼、珈琲を手に取るべきだったか
そう思っても遅いので、仕方なく胃へと通す

...この流れを、何度繰り返しただろう

辞めよう、そうして珈琲だって手に取るのに
いつも最後には、カゴの中にそれが入っている

好きでもないのに、手に取ってしまうのは
彼奴の思念が、俺にこれを買わせているからだろうか

そうだとしたら、なんとムカつく事だろう

手元の紙パックを握りつぶし、ゴミ箱へ放る

...でも、やはり一番ムカつくことは
こんな物に彼奴を見てしまう、俺自身なのかもしれない

3/25/2026, 11:38:29 AM