るに

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夢見る少女は
いつか絶対冒険者になる!と
小さな手で弓を引き
杖で回復し
ふたつの剣を振っていた。
そして少女の夢は
成長しても変わることはなかった。
誰かが言っていた。
物語の主人公は強いって。
でも少女は非力で弱かった。
なーんてことはなく、
とても強かった。
少し大きくなった手で弓を引き、
大きな水晶が付いた杖で回復し、
二刀流で短剣を振っていた。
そう、少女は冒険者になった。
人助けをしたり、
好きな道を歩いたりして
素敵な日々と冒険生活を送っていた。
たまたま通りかかった峠で
怪物に襲われて瀕死の人を見かけた。
少女は力強く怪物の前に出て
一撃で倒してしまった。
助けてもらった人は
少女にお礼を言い、
何かお礼の品をあげたいと
色々提案をしたけど
少女は全部断って颯爽と立ち去ろうとした。
助けてもらった人は慌てて引き止め、
せめてお名前だけでも!と言った。
少女は少し考えて笑って言った。
名乗る程の者ではありません。
"Good Midnight!"
私だけの力で人を助けて
気の向くまま冒険する。
私は世界一かっこいい冒険者。
名乗る程の者ではありませんって
やっぱりクールじゃない?

7/10/2025, 3:17:19 PM