貴方は、ここに立った時、どんな気持ちだったのだろう。
実際に立てばわかると思っていたけれど、無理だった。あまりにも、怖すぎた。
普段なら感じないそよ風も、ここに立った瞬間、酷く怖いものに感じた。
貴方が居なくなってから封鎖されたこの屋上も、だいぶ廃れてしまった。
でも、貴方がそばに居るから、怖くない。
貴方がそばにいるから、屋上の鍵をこっそり盗んで、ここまできた。
だからもう、大丈夫。
この学校から離れて、貴方と別れてしまうくらいなら、この学校から飛び立ってしまおう。
大丈夫。貴方がそばにいるから。
貴方と飛び立ったあの日は、ちょうど、貴方がこの世から飛び立った日だった。
8/21/2025, 12:24:44 PM