青花一華

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#もしも未来を見れるのなら

惑星をのぞいた。ぼくは、右も左もわからぬような真っ暗闇の中、そこに一層青く輝くそれに強く興味を惹かれたのだった。

   少しずつ惑星に近づくと、ふと、それは青だけではなく緑がポツポツと広がった惑星であると気づいた。生命の水。植物の生い茂る森林。豊かであった。人間が生きるにはあまりにも。豊かになりすぎたのだ、この惑星は。

  そうして、しばらく惑星を眺めていると、暗闇を仄かに照らす神秘的な美しさを放っていた惑星は、いつの間にか茶色く濁り、ゴツゴツとしたクレーターだらけの姿へと変化していった。何回目だろうか、人間は学ばない。ぼくはそう思った。
そして、性懲りもなく寂しいなと、ぼくはそう思った。

  当たり前だが、人間は知らなかったのだろう。あの惑星がどれだけ青く、生き生きと宇宙の無限に存在していたのかを。

  枯れた惑星は、粉々になって宇宙の塵や塵になる。それを拾い集めるのがぼくの仕事だったりする。拾ったりかき集めたりして、世界を1から練り直し生成する。しかし、ぼくは神様なんかじゃない。ここに在るだけなのだ。
  だから、もう二度と同じものなど作れないし、もっといえば何ができるのかすらわからない。高温で水のない荒れた砂の塊ができることもあれば、氷の塊でできた光が存在しない星もある。
   そして、皆一様に生まれたその後はぼくのそばから飛び立って自由に無限へと散らばってしまう。

そんな日々の中で、幸運にもあの惑星に再び巡り会えたこと、それこそがただただ嬉しいことなのになんだか無性に切なくなって。


   ぼくは、あの惑星に近づきパラパラと崩れ去っていくその様子をじっくりと目に焼き付けながら、
    ポツリ、
       ポツリと、
砂のかけらにほんの少しだけ雨を降らした。

4/19/2024, 3:24:44 PM