たーくん。

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遊具が月の光に照らされている夜の公園。
彼女に呼び出され、来たのはいいが……。
最近付き合い始めた別の彼女と連絡がつかない。
遅くても一時間で返事が来るのに、もう二時間経つ。
どうしたのだろう?
さっさと用事を済ませて、家に行ってみるか。
……この際だ。前の彼女に別れ話をしてさっさと別れよう。
「こ〜んばんは♪」
噂をすれば、彼女が現れた。
なぜか、ニコニコ笑っている。
「どうしたんだよ。こんな夜に」
「はい!これ!私からのプレゼント♪」
彼女に手渡されたのは白い箱。
プレゼント?俺の誕生日はまだ先だが……。
箱を開けると、中にブレスレット、時計、香水が入っていた。
どれも、俺が新しい彼女にあげた物だ。
なんで……こいつが持ってる……?
「うふふ♪面白い顔してる♪私に隠れて、あんな女と会っていたんだね。私だけを愛してるって言ってたのに」
「お前、あいつに会ったのか。てか、なんであいつの物がここに……あ」
暗くて気づかなかったが、こいつの服に……血のような赤い何かが、数カ所付いている。
「お前、まさか――」
「しね。裏切り者」
ニコニコしていた顔から、真顔へと変わる。
赤く染まったナイフが、俺の心臓に向かって――。
最後に聞こえたのは、泣き声だった。

12/2/2025, 10:14:51 PM