「え、なんて?」
電話越しに聞いたその知らせに、我が耳を疑った。
『だから、ーーちゃんが交通事故で亡くなった、とのことよ。あんた、仲良かったでしょ?お式の日程を今から言うからメモの準備なさい』
母に言われるがまま、急いでメモの準備をする。
電話が切れたあとも信じきれなくて、ただ、書いたメモの内容を見ていた。
ー私、アイドルになるのよー
瞳の奥に輝きを宿して夢を語っていた彼女の訃報。
信じられないまま、通夜の式に参列している。
仲が良かったやつは泣いていた。
棺の窓越しに彼女を見つめる。
「俺、アイドルのお前を応援したかったよ」
胸中を支配する喪失感とともに吐き出した言葉は線香の煙と共に少し漂って消えていった。
9/11/2024, 1:22:55 AM