「ね、二人だけの秘密だよ。他の人に言ったら……
どうなるか、わかってるよね?」
声は笑ってるけど目は笑っていない友達へ頷いてから私は地面に目を落とす。
スコップでどうにか均したとはいえ、掘って埋めたことが丸わかりな跡があった。
そして私たちの手も少し汚れている。
……これじゃわりとすぐにバレちゃうかもね、と心の中で呟く。
それに私たちの靴も土で汚れている。警察や探偵でなくても土いじりをしたことはわかってしまうだろう。
かといってすぐに靴を洗うことはできない。もうすぐ授業が始まるし、それに替えの靴なんか持ってきてるわけがない。
……これ絶対にバレる。と私は確信したけど友達の前でそんなことは言えない。
「ねえ、もしバレたらどうするの?」
「バレるわけないよ。だってこんなに完璧に偽装工作したんだから。
……まあでもバレたら先生に土下座しようか。
反省文も書いてさ」
「へーえ? 誰に土下座するって?」
聞き馴染みのあり過ぎる声が聞こえて私も友達もビクッと肩が跳ねる。
おそるおそる振り向くと超ニッコニコの先生が私たちを見下ろしていた。
いつも笑顔の先生だけど、今はそれがとてつもなく恐ろしい。
「あわわわわ……」
「今、何を、していたの?」
「「ごめんなさーい!!」」
私たちは洗いざらい全てを話した。
一番乗りで登校したら教室で飼ってる金魚が死んでることに気がついてしまったこと。
そのままにするのは可哀想だったからとりあえず土に埋めようとなり、畑の農具をこっそり拝借して畑のすみっこに埋めたこと。
クラスのみんなが悲しまないようにこのことは内緒にして、学校が終わればすぐに友達の家の金魚を連れてきて代わりにする予定だったことを……
「……なるほどねえ」
「許してください! ただ金魚ちゃんが可哀想だったんです!」
「いやまあ、それは別にいいんだけど……
金魚がいなくなったってちょっとした騒ぎになってるから、ちゃんとみんなに説明してあげてね。
それが出来たら先生はもう怒りません」
「「はーい……」」
「よろしい。じゃあ先生は先に戻ってるからね。
二人も早く戻るんだよ」
先生の背中が遠くなる頃、私たちは顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。
「バレないと思ったのに……」
友達がボソッと呟いたけど、私は内緒にしたいことってやっぱりバレちゃうんだなと思った。
……これからは秘密をあまり作らないようにしよう。そしてコソコソ行動しないでおこう。
そう心に固く誓った朝だった。
5/3/2026, 1:46:04 PM