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二人ぼっち


ふと目が覚めた。辺りはまだ暗くて、人どころか太陽すらもまだ起きていないような時間だった。
もう一度寝てしまおうと目をつむるが、妙な時間に目が覚めるときに限ってまったく眠たくならない。諦めて起き上がろうか、と寝返りをうてば、伸びてきた腕につかまる。
布団の外へ出ようとしていた体は絡み取られ、布団の中央へと逆戻りだ。
「……もぅ、あさ?」
寝ぼけているような小さな声が聞こえて、まだだよ、と返事をしながらもう一度寝返りをうって、その腕の中へともぐり込む。
ぎゅっ、と抱きしめれば、同じようにぎゅー、と抱きしめてくれるのが嬉しくて何度も抱きしめるのを繰り返す。
目を閉じたまま微笑んで、もう寝なさい、と囁かれるが、眠くないと抗議すればその瞼が少しだけ開いた。
「いい子だから。おやすみ、ね?」
優しくそう諭されてしまえば、素直に従いたくもなるし、だんだんと眠くなってきたような気もする。
世界はまだ眠っている中、二人だけのそのやり取りがなぜだか心地よかった。

3/21/2023, 1:50:42 PM