【哀愁をそそう】
綺麗な丸顔、高い鼻、薄いフレームの丸メガネの奥にある奥二重の目、ここまで顔の特徴を挙げられるほどに僕は美紗に恋をしているのかもしれない美紗は飛び抜けて可愛い訳ではないが、僕には誰よりも可愛く見えた。退屈な授業の中で恍惚と見てしまっている。美紗が雨の日の蜘蛛の巣のようで、美紗から目が離せなかった。「キーンコーンカーンコーン」授業終了のチャイムだ。少し前までは50分が永遠のように感じられたのに、今は一瞬にして50分が過ぎてしまう。
「ねぇねぇ、柳樂諒の新作よんだ?」
美紗が話しかけてきた。
「まだ読んでないんだよね。最近眠くて寝ちゃうから」
「そっか。読んだら教えてね。一緒に語ろ!」
「うん。あと今度さっ」
「美紗ーご飯食べよー」と美紗の友達が割って入ってきた。
「う、うん。バイバイ斎藤くん」
大事なことは言えなかったが、放課後まで時間はあるから焦る必要は無いと思った。それより僕も昼ご飯を食べなきゃと思い、親友の蓮のとこに向かった。いつも通り何気ない話で盛り上がっていると、蓮が突然
「さっき美紗と話してたけど、美紗のこと好きなの?」と聞いてきた。僕は多分美紗のことが好きだが認めたくなかったし、何より恥ずかしいので僕は
「別に好きじゃない」と答えた。それに蓮は、
「それなら良かった」と意味深なことを言ってきた。僕は話題を変えたかったので直ぐに別の話題に変え、そのままいつも通りの昼休みが終わった。
美紗に何度も話しかけようとしたが、タイミングが悪く、話しかけられなかった。なぜこうゆうときに限って話す機会がないのかと何かを恨みたかったが、何を恨めばいいか分からず何とも言えない気持ちになった。
家に帰ってからはラインを送ろうと思い文章を書いては消してを繰り返した。結局ラインを送ったのは、夜の10時と中々遅くなってしまった。僕はすぐに返信がないのは分かっているがスマホのロックを解除したり無駄にスクロールしたりとスマホを手放せないでいた。そうすると「ライン♪」と通知がなった。僕はすかさず携帯を見た。そこには蓮の「童貞卒業しました」としょうもないメッセージが来ていた。少し我に帰ったところでまた蓮から連絡が来た。「かわいそうなお前にハメ撮り送ってやるよ」と言われ、今日まだ抜いてないなと蓮のハメ撮りで抜くのは尺だが、少し期待してしまった。その動画を見てみると見たことある顔が出てきた。中の女性
は、「あっ//あっ///」と喘いでいる。そこで喘でいる女性は美紗だった。僕は一瞬唖然とした。どうするべきなのか分からなかった。だが気付いたときには手は下を触っていた。
「うっ…」
蓮に返信しなきゃと思いながらも、「1つ2つ3つ…」と天井の訳の分からない点を数えていた。
11/4/2023, 1:13:38 PM