「ただひとりの君へ」
嗚呼、愛する貴方よ。
もう一度見せて欲しい。
花畑の中で儚く咲う姿を。
嗚呼、愛する貴方よ。
もう一度触れさせて欲しい。
柔らかく温もりをくれたあの日を。
嗚呼、愛する貴方よ。
もう一度全身で感じさせて欲しい。
貴方の全てを知った高揚感を。
嗚呼、愛する貴方よ。
ただのひとりも貴方を超えて美しく飾ることは出来なかった。
嗚呼、愛する貴方よ。
もう一度開かせて欲しい。
次はもっと綺麗にしてみせるから。
嗚呼、愛する貴方よ。
もう一度、君を殺したあの快感を味わわせてくれよ。
嗚呼、愛する貴方よ。
『死刑囚の遺書』
1/19/2025, 2:31:43 PM