久門家を覗いてみよう>ᗢᘏڡ

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#7 トントン…

私は余命宣告受けた …

あと1 ヶ月の命らしい…

言われた時は、あー私もとうとう来たか…と思った。

もう私は90を超える歳だ

この歳で今更、余命宣告を受けても
たいしてショックでもない

90年も生きれば十分だ…


人間 死が近づくと死神が見える…
なんて話はあるが…どうなのだろうか?

死神は…今のところ見えない…。

もしかして…まだ死なない?

そんな事はないか…ハハッ( °ᗜ°)

乾いた笑い声をあげる…

そんな事を考え家に帰る…

この1ヶ月どう生きようと…ぼんやりと考える…

家に帰って 嫁や子・孫と猫のシロと少ない余生を楽しむか…

なんて思い、その日…家で1日過ごしていた…

翌朝、習慣とは恐ろしいもので時間になって
散歩に行く…

いつも通り 玄関で「いってきまーす」と声を上げ家を出た

散歩しながら考えるのも悪くないかと…いつもの慣れた散歩道をあるく

遺書ってどうやって書くんだろうか?

などと考えたら小腹が空いてきた…

朝の散歩ついでに パンでも買おうかと…

いつもとは違う道に入り交差点を渡ったら…

【トントン…】

急に肩を叩かれた…


振り向いた先に…


キキーーー !!!!!


ながら運転した車が私に突っ込んでくる


スローモーションに世界が動く…


運転手と目があった…


慌ててブレーキを踏んで目を見開いている…

あ…これはもう…間に合わない…

ガシャーーーン!!!

私は宙を飛び地面に激突した…

痛いという感覚はなかった、恐らく血を流していたと思う…


人がどんどん集まっているが…


段々と…人の声や…音が遠くに聞こえる…


視界がどんどん狭まっていく …




あれ?おかしくないか?




余命1か月またずして私は死ぬのか?





そりゃあんまりだ…







まだ遺書すら書けてないのに…








消えそうな朦朧とする意識の中で…







もし、死神とやらが いるなら…






せめてもう少し猶予をくれないか…









と、私は死神に願った…














が、いつまでたっても死神はやってこない…








もしかして私は助かったりするのか?
などと思ったが…










違った…







【ソンナ訳ナイダロ…オマエ達人間ハ勘違イ シテイル】



姿は見えないが間違いない…これは【死神】の声だ



【死神ハ 前カラ ヤッテ来ナイ…アル日、突然オマエ達ノ後ロカラ ヤッテ来ル…ソシテ肩ヲ叩クノダ…】


そうか交差点で…
肩を叩いたのは死神だったのか…。



【ソレガ 死神ダ…】

そうして私はこの世から唐突に別れる事になるのであった…












………




………





…………





…………





…………




目が覚めた…




どうやら長い夢を見ていたようだ…

とんでもない長い夢だ…

90年間を過ごした夢…

とんでもなくリアルな夢だった…


睡眠時間は6時間…


夢で体験したのは90年と言ってもスタートは3歳くらいからだから約87年…


俺の頭すげーな…


などと思っていたら…



【トントン…】


ふいに肩を、たたかれた…

何だと思って俺は振り向こうとした…が…



…………



…………



踏みとどまった…



俺は恐る恐る聞いてみた…


「だ…誰?」


しかし返事はかえって来ない…



夢の最後がフラッシュバックした…



すると…


【ソレデ イイ…】と声がした…気がする…



俺は身震いした…



どうしたらいいか分からない…



しばらくその場をじっとしていたが…何も起きない



「気の…せい…だよな?」



自分に言い聞かせる……





チッ…






チッ…





音が聞こえる…



チッ…チッ…チッ…チッ…


恐る恐る振り向いたが…


⏰カチッ…カチッ…カチッ…カチッ…


いつもの目覚まし時計が動いているだけだった…


はー

ホッとしてため息が出た…


そして深呼吸してから心を落ち着かせ…考えた…



あの声は【死神】だったのだろうか?



それとも俺の頭が作り出した幻聴なのだろうか…



先程、約90年もの長い人生過ごした夢を見たのは、なんだったのだろうか?



もしかして俺の前世とか?



分からない…



とりあえず…



⏰の時刻を見て思った



急いで学校に行かないと!!



別の意味で死ぬーーー!!



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【突然の別れ】

5/19/2024, 11:20:19 AM