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季節のない街に生まれ
風のない丘に育ち
夢のない家を出て
愛のない人にあう…

と、いう詩があるが、都会の街なのだろうなと想う、私の故郷は全くこの逆だったからだ。

季節しかない街に生まれ
風のふく丘に育ち
夢しかない心を抱いて
愛を失くして凪…

ただ都会の雑踏を彷徨った
風のない丘に立ち
夢を忘れて足掻き
愛に疲れて泣いた夜…

あの詩に歌われる街と真逆のような故郷が
鮮やかに蘇った。

季節しかない街で
風を身体に感じて
夢を青い空に描いて
疲れる程の愛に育まれた

愛する街我が故郷
今なら照れずにそう言える

季節しかない街で
風を感じる丘で
夢を紡いだあの日
溢れる程の愛に包まれていた

私の街
私の故郷
遠く遠く離れても
今ならそこが私の始まりと

はっきりと言える
同窓会の案内状に
欠席に丸を付けた日々を越えて
なんとか季節のない街でも
自分の居場所を見つけ
元気で暮らせているよと
言える日が来た

夢は叶ったのか
叶わなかったのか
なりたいお前になれたのか
季節しかない街は
聞こうとしない
ただ、あの日と変わらぬ
風をこの身体に感じさせた

凪は終わった帆を上げる
力いっぱい生きたから
あの街で生きたから
あの街で生き続けるから 
同窓会の案内状出席に
大きな丸をつけるよ

季節のない街から
季節しかない街へ
風を感じに行くから
あの日と変わらぬ風を
送っておくれ私の街よ


2024年6月11日

心幸



 







6/11/2024, 12:29:47 PM