【ごめんね】
出会ったあの日
暗闇の中で口移しされた空気でなんとか生きながらえた
抱きしめられた窮屈さで自分の大きさを教えてもらった
流れ込んだメロディに乗る言葉で世界を知った
僕の知ってる世界は全てこの言葉で構築されている
それなのに相対すると何も話せなくて『 』
正しい呼吸に救われた
それでも人間が放つと棘に変わって
相手を傷つけることを知っているから
ふわふわのお布団を用意して準備を整えても
その上に言葉を乗せただけでズタズタになるイメージが
脳裏に焼き付いて離れなくて
肺に溜まった毒が吐き出せなくて
そんな喉を通した言葉の
その毒で傷つけてしまわないか怖いんだ
だからいつまで経っても大事な言葉を渡せないでいる
きっとこんな僕も許してくれてしまうのだろう
『ごめんね』
2024-05-29
5/29/2024, 1:24:04 PM