桜の花弁は、思い出の一ひらにも舞い落ちる。
四月、
たなびく雲のように、刻々と進む足音たち。
春爛漫の、この良き日。
桜ひとひら舞わせゆく。
こんなに晴れたお天気の日には、思い出にしっとり重なった、この花弁たちを乾かそう。
そしていっぱいに溜まったら、この両手でぱらぱらと砕いて、さらさらの粉にしてしまおう。
ほのかな甘さを身に纏い、きらきらひかる、思い出の色。
白い肌に、ほんのり色づいた桃色に。
この小さな花びらに、そっと口づけをして、はらりとあの川へと流しに向かおう。
すでに済ませた別れの言葉に、これもまた縁と頭をさげて。
かわいらしい郷愁を見送って、さてさてと桜舞う小道を歩いていくのだ。
春は、いつ何時も懐かしき季節である。
4/10/2026, 3:41:23 PM