少しだけ夜更かしをして、何だか秘密のパーティーみたいだ。嬉しくて楽しくて堪らない。
柔い頬がほんのり色付いて、私の手を握った。
小っ恥ずかしくなって、目を逸らす。
夜明け前の少しずつ広がり出した赤とも言えない橙色は肌が焼ける様に熱かった。
「こんなに綺麗な太陽は初めて」
息を呑む様にそう告げる彼女は溜めた涙をほろほろと流していた。宝石よりも綺麗で、見惚れてしまう。
昔は、この陽に照らされる事が苦痛で仕方なかった。暖かい始まりを告げる様で、それに馴染めない自分が愚かで仕方なかったのだ。
「こんなに綺麗だから、君と星空も見たい」
彼女の反応を見るのが怖かったから、代わりに君の手に力を込める。一つも取り溢さ無い様に。
「今日の夜が楽しみだね」
幸せそうに君が泣いて部屋に戻るから、バレない様に踏み台を隠して追いかけた。君を抱きしめる為に。
9/13/2023, 1:19:08 PM