嫌。
漫画のような台詞だからか?
僕は返ってきた言葉が聞き間違いじゃないかと思い、顔を上げる。
彼女は顔を逸らして口元を尖らせている。
ああ、不機嫌。
「間違ったことでも言った?」
「1000年先も一緒にいたいなぁってことば」
彼女の口からリピートされるとちょっと照れ臭い。
僕の想像じゃ否定されることもなく彼女が照れていつものように笑顔でフフフと応えてくれるかと思っていた。
現実は逆だ。片眉を吊り上げ僕を睨んでいる。背中に寒気が……。
「君と1000年……いいや!ずっと!ずっと一緒に!」
「めちゃくちゃ焦ってる」
「焦るに決まってるだろ!こんな事で君と喧嘩みたいになってるんだから」
「喧嘩っていうか……まぁ、貴方からしたら喧嘩……かな」
首を傾げる彼女。あれ、マズイなって思ったのは僕だけ?
1000年先もとかあり得ないから、そんなに長く一緒にいたくない。
なんて返されてフラれる……。どうしよう、どうしよう!
言葉を探しているといきなり彼女から手を握られた。
「ほわぁ⁉︎」
思わず変な声が……。
「1000年と言わず、数字で表せないくらい私は貴方と一緒にいたいです」
視線を上げると目を細めてフフっと笑う彼女がいた。頬が少し赤いように見える。
この顔を僕は待っていた。それに想像以上に美しい。
「……キスしたい」
「それは後ほど」
僕は今日、いや、1000年先とも、ずっと君の隣にいたい。
2/3/2023, 10:22:19 PM