手のひらの宇宙
触れることもできない宇宙を目指してるのはなんでなんだろう。その先に何があるかもわからないというのに。
そんな物思いにふけながら手を動かす。葉を一枚一枚、丁寧に確認して冷たすぎない水を注ぐ。
「あ」
ある鉢植えの小さな物体が目に留まった。種だ。決して鮮やかとは言えないが生きてること知らせてくれる。
そういえば植物もどこに行くのかもわからないのに種を飛ばす。先が見えないどころか目と言えるものもないだろうに、それでも何かのために送り出す。植物の気持ちがわかれば人の気持ちもわかるだろうか。
私の宇宙はこの鉢植えなのかもしれない。
1/18/2025, 12:47:52 PM