乱正堂

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あちらがたてばこちらがたたず
時にまどい歯車がくるい
歪を愛せず歪をしのぶ

それを忘れさせるようにかの人は
懐に金木犀の香りを忍ばせてやってきた

歪をこよなく愛すあの人に
私は恋い焦がれてしまった

ならば歪な私も愛してもらえるか
そんな甘えから来たのだろうか
その懐にしのび、ただただ彼の言葉を享受したい

欲が漏れ、自身での調和への努力は
彼の雅で慎ましい香りに
押し流された

11/4/2025, 1:19:05 PM