ある神社に
たまたまお守りを買いに行った時、
真っ白でしっぽが2つに分かれている
綺麗な猫に出会った。
けどその猫は
少ししんどそうな顔をして
飲み物をくれと言っているかのように
手招きの仕草をした。
ちょっと待っててと言い、
神主さんに
何か飲むものが無いか聞いてみる。
ここの神主さんは少し変わった人で
お祭りなどのイベント事で見かけるけど
いつも甘酒を飲んでいる。
神主さんが持ってきたのは
やっぱり甘酒で、
猫に飲ませる飲み物が
欲しかったんですけど…と言うと、
うん、ここの神社の猫でしょ?
多分甘酒が欲しいハズだよ。
そんなことを言って
元いた場所へ戻ってしまった。
仕方なく
白猫に甘酒を与える。
すると見る見るうちに猫は化け、
猫目で白髪の綺麗な人になった。
いやぁ、助かりました。
甘酒切らしちゃって
化けれなくて困ってたんですよぉ。
ところでお嬢さんは何で神社に?
びっくりしすぎて
返答するのに10秒ほどかかった。
最近何をするにも上手くいかなくて、
気休め程度ですが
お守りでもと思いまして。
それを聞くと白髪の人は
そういうことなら
私に任せてくださいなぁ。
まあまあ、
いい事が起きると信じていれば
勝手に起こるものですよぉ。
私に出会えたみたいにね。
あなたのこの先に、
神のご加護があらんことを。
"Good Midnight!"
気がつくと神社は見当たらなくて、
けど白髪の人の声は
まだ頭の中に響いていた。
何だか安心するような
優しいその声と
波音に耳を澄ませて。
7/5/2025, 4:08:55 PM