ひんやりと冷たいものがわきの下に当てられる。水銀の体温計のメモリがゆるやかに上がっていく。
「微熱だな。本格的に熱が出る前に養生して、早く治してしまおう」
パパが優しく頭をなでて、ふとんをかけなおしてくれる。
身体がだるいな。病気っていやだな。
なんだかすごく調子が悪い気がして、怖くなる。
「もうなおった!」
眠ったらすごく元気が出てきた! パパの看病ってすごい!
「体温計の温度は38度だぞ! ちゃんと寝てなさい!」
だってなんだか走りたい気分なんだもの。熱が高い方が元気になるのってなんでだろ?
『微熱』
11/26/2023, 10:13:15 AM