「レッドラインを進め!」
「みんなー!それぞれ自分の分、しっかり持ったー?」
「「「おーっ!」」」
「おっけー!さあ、本日の第1陣、行くよー!それっ!」
ドクンッ!
「「「うおおぉぉ!!」」」
どでかいポンプに押し出された彼らは、顔を真っ赤にして長い長いトンネルを進む。
「さあ、みんな、今回もたくさんの荷物を運ぶぞー!」
隊長が声をあげて、みんなを鼓舞する。
彼らの働くスピードはびっくりするくらい早い。30秒も経たないうちに、彼らは荷物を全て運び終わる。それと引き換えに、彼らの顔色は悪そうだ。出発前の綺麗な赤色から、くすんだ赤茶色になっている。
「みんなー!荷物は運び終わったなー?そろそろ基地に着くぞ!そこで少し休憩したら、また荷物を持ってポンプに集合だ!」
隊長が声をかけるや否や、彼らは基地についた。
「おっ、もう帰ってきたか!お疲れ様だよ、みんな。」
「ありがとうございます、右心房さん!」
右心房、右心室を通って休憩した彼らは、肺へ向かって荷物である酸素を取りに行く。肺から心臓へ戻ると、彼らの顔はすっかり健康的な赤色だ。
「よーし、第1陣帰ってきたな!もうひと仕事頼むぞ!シーユーアゲイン!」
左心室はそういって、強力な筋肉を収縮させて彼ら赤血球が乗る血液をポンプのように押し出した。
彼ら赤血球運送は、今日も酸素を乗せて、10万キロメートルの血管を進んでいく。
11/13/2023, 10:24:26 AM