この家の前を通ると、あの日々を思い出してしまう。
夏の日差しが私を責め立て、夏草が私の足を止めさせるようにまとわりつく。
この家は、この場所は、私が生まれ育ったところだ。
両親が死んで、早三年。
手入れしてくれる人を失った家は、寂しそうに私を見ている。
それは、まるで幼い頃の私のようだった…
周りの家族を羨ましそうに見つめていた、あの時の私。
両親が、あいつらがしっかり親になれていたら。
あいつらが言っていた、理想の子供になれていて
私は、今もこの家に住んでいたのかもしれない。
私は夏草を払い除け、今日も幼い頃の自分を見捨てる。
8/29/2025, 9:25:35 AM